とと姉ちゃんのあとBSNHKを流していたら、桑子真帆ちゃん出演の番組が始まり、つい引き込まれる。一ヶ月前に放映された「一本の道 〝天空の城〟古代ローマの道をゆく」というドキュメンタリーの再放送。中部イタリアの古代遺跡や絶景を結ぶ一本道を6日かけて歩くのだけれど、絶景と絶景の間のオリーブ畑や林の小径といった何でもない風景や、ガイドのスザンナ・ビガンゾーリさんが作ってくれる家庭料理の中に、脈々と流れている何かがあることを感じさせてくれる。途中、イタリアで消滅した道を復活させている男性が出て来て、「道は、人間でいうなら体に張り巡らされた動脈な静脈のようなもの。大きな道だけが残っていくけれど、細静脈や毛細血管のような道も必要。地球も体と同じで機能しなくなる」と話す。桑子ちゃんもよかったけれど、スザンナさんのような謙虚で慈愛に溢れたイタリア女性を初めてテレビで見た。絶景と絶景を結ぶ日常の道、グルメではないふだんの食の中に隠されたものをこのブログで拾っていこう。
f:id:Shimabanana:20160526085159j:plain:right:w250  散歩堂の旦那が行けないかもしれないというので、落語研究会のチケットを譲ってもらう。この日の圧巻は、柳家さん助師の「阿弥陀池」。大きな声と迫力、やや不気味な存在感、ヘンテコな個性に、さらにすごみがついた。若き楽友UNAちゃんから、さん助師のことを教えてもらったのが三年前。さん助師がまだ二つ目のさん弥さんだった時だ。その後、UNAちゃんは席亭として「夜の九時落語」を主宰する(今月頭迄合計二〇回続けて終了)のだけれど、UNAちゃんの慧眼が今更ながらにまぶしい。