奈々福さんの「語り芸パースペクティブ第六回、女流義太夫」。人間国宝・竹本駒之助師匠と鶴澤寛也さんの会、またもや素晴らしく、感動。 駒之助師匠の毅然とした存在感、冷静にして微細な語り。決して涙を誘うような語りではないのに、いつの間にか情を動か…

2013年8月13日

義兄が一人暮らしをする実家。お盆かざりは逆に義兄にとって負担になるのではと躊躇していたが、叔母と二人で出かけて 葦製の小さなむしろと精霊馬、精霊牛、果物だけをかざりつけてきた。 母が存命で姉が元気だった頃は、四方に笹を立てて鬼灯も添えるとい…

静かにお正月を迎えました。

本年もどうぞよろしくお願いします。29日に長姉を見舞い、元旦は施設の義母と数時間過ごしてから、94歳の夫の叔母の家でお正月を祝った。 見舞う長姉がいるから故郷を訪れる機会があり、義母や叔母がいるから親類で正月を祝うことができる………そうしたありが…

夏至南風

夏至南風(カーチバイ)の影響で高波になることが多くて、高速船が出るか出ないかはらはらする梅雨明けの波照間島行きも、今年は晴天に恵まれてすんなり。強い光線のおかげで空も海もこの世のものとは思えない色彩で出迎えてくれた。空気が甘くて、普通にし…

姉のお見舞い。目を大きく見開いていた。突然訪れたゆみちゃんとわたしを見て、目をさらに見開く。かなり驚いている様子。口を動かしているせれど、声が出なくて、わからない。こっちから今日の日にちとか天気とかを伝えると静かになった。どんな気持ちなの…

ゴールデンウイーク前から携わっている本の初校がすっきりと終わった。装丁もものすごく楽しみ。校正は不得意なんだけれど、姉が言ってくれた「失敗したらどうしようとおじけづくから、失敗を引き寄せる。どーんとしていれば大丈夫」という肝っ玉のアドバイ…

相模灘を望む伊豆半島の高台。光線とともに移ろう風景に身を預けながら、2日間のロングインタビュー。濃密な内容に好奇心が満たされながらも、集中し過ぎで頭がパンパン。「道を見つけるまではどんなに時間がかかってもいい。ひとたび道を見つけるたら、突…

山口小夜子

阿佐ヶ谷のもう一つの映画館、前から気になっていたユジク阿佐ヶ谷。ロビーの黒板ギャラリーがいい感じ。この時の絵はスズメさんが描いたという。お目当て「氷の花火 山口小夜子」(松本貴子監督)を観る。 「もう今日で最後にしようと思うんだけれど、また…

助六

義母の通院に付き添う日。タクシーのなか、買い物にもテレビにも興味を失った義母との会話のテーマがなかなか見つからない。何か食べたいものはあるかと尋ねると、「おいなりさん」とめずらしく張りのある声が返ってきた。そうそう、「助六」が好きな人だっ…

日曜日の午前、休日出勤で家人がいないソファを独り占めして、録画しておいてくれたDVDを観るのはなんともいえずいいもんだ。「トットてれび」渥美清の巻に涙し、「SONGS 小泉今日子」でキョンキョンラブだけれど、歌よりも演技やエッセイが断然いいと確信。…

ユミちゃんを誘ってアッコちゃんの転院先にお見舞いに行く。意外にも落ち着いている様子で眠っている。看護スタッフが大事にしてくれているのが伝わってくる。看護師さんが口腔ケアをしながら、口腔ケアが感染症を防ぐのにいかに大事か説明してくれた。お見…

森繁久彌との対談で、向田邦子さんが「飛行機に乗る時にはこの人と一緒に乗りたい、この人と一緒なら絶対に落ちないと思う人が何人かいて、その一人が森繁さん」と言っている。事故の8ヶ月前の対談だけにギョッとする。 昨夜は一之輔師匠とこはるさんの欧州…

家にこもって収録許可申請の仕事。文芸年鑑に遺族の連絡先が載っていない場合の問合せ先を探すのが一苦労。許可取りが期日中に終わるかはらはら思案中、携帯に着信が入る。「山田太一です」の声。今しがた某所に収録願いを送ったところ、すぐにお返事、それ…

〝橋田〟文化財団へFAXをおくったあと、某酒蔵に画像拝借の電話をかけたら担当者の名前が〝橋田〟さんだった。 低気圧の影響で頭が重く、起きてはいても眠っているような1日。夜もぼんやりテレビをつけたら映画「白河夜船」が始まるところ。主人公は眠って…

とんがらし

いつもの帰り道の草むらが、こつぜんと消えて駐車場になっていた。もうすぐ半夏生がみられる頃と楽しみにしていたのに。駅から近い便利な場所で数年のあいだ草むらだったことが奇跡なのだけれど、親友がいなくなったみたいだ。水道橋にあるグローバル企業で…

ヴィヴィアン・マイヤー

阿佐ヶ谷散歩から戻り、見逃してしまったドキュメンタリー映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』をDVDで観る。ヴィヴィアンが1950年から90年にかけてニューヨークやシカゴ、フランスで撮影した膨大な写真は、一気にその時代のその場所に引き戻す力があり、…

モハメド・アリが亡くなった。1990年代前半のニューヨーク、シェラトンホテルの前で車椅子のアリを見かけたことがある。行き交う人々が丁寧にアリに声をかけ、偉大なるチャンプに敬意を示していた。アメリカ人ってこういうところが偉いなー。そのアリの死も…

X氏のお誕生会にかこつけて6名で集まり、飲んで、食べて、いっぱい会話をして、頭と心のストレッチ。 たがが外れるって、今まで悪い意味に受け止めていたけれど、縛りがない、とらわれない、自由なことでもあるんじゃないだろうか。 そんなことを考えた夜。…

アラーキー降臨

家で仕事をしていても夕方からのイベントが気になる。17時過ぎに家を出て神保町ファインアーツで整理券を貰う。8番目だった。大竹昭子さんによるトークと朗読の夕べ、カタリココの本日のゲストはアラーキー。やっかいな病気や右目の失明を聞いていたので、…

黒田泰蔵さんの富戸のアトリエへ。イギリスからのお客様を交えて三名で黒田さんを囲む。私以外は英語での会話。なんとか聞き取りはできても、英語がまったく口から出てこない。少しは聞き取れるのだから、英語に慣れる機会があれば片言でもしゃべれるように…

ナオユキ

おけいネーネが珍しく強く勧めるのので、芸人ナオユキを見に御徒町の古民家ギャラリーしあん。おっと、散歩堂の旦那が開演ギリギリに登場。入り口でお財布忘れましたーと叫び、おけいネーネが飛んでいく。会場爆笑。 ナオユキのぼやき漫談の大半は酔っ払い…

松本の疲れが抜けない一日。仕事がちっともはかどらないまま、阿佐ヶ谷散歩、深川落語。 以前は理容室だったのだろうか、それとも喫茶店? 阿佐ヶ谷散歩の途中で見つけた今は使われない古店舗も、雨と紫陽花がかわいらしさを添える。小雨のなか、猫は屋根で…

松本へ。当初の目的は松本クラフトフェアだったが、塩尻、安曇野まで範囲を広げての旅となった。家々の庭ではヤマボウシが白い花をつけ、幼い苗が植えられたばかりの水田に青空が映り込む風景と長野中部の民芸やアート、文化、食、日本酒を満喫できたのは、…

大慌てで上野まで行き、駅ナカのザ・ガーデンで井泉のヒレカツサンドを買って上野鈴本演芸場に着いたのが14時ごろ。脳天先輩からいただいた入場券で客席に入ったらほぼ満席。それでも一人だったので、前から三番目という席に座ることができた。百栄師匠は「…

経堂こども文化食堂についての取材で、放送作家にしてプロデューサー、経堂「さばのゆ」主人など、多方面で活躍する須田泰成さん、そして、「まだん陶房」主宰の李先生や本田さんのお話を聞く。いつも「さばのゆ」でお会いする須田さんは大らか。いろいろな…

とと姉ちゃんのあとBSNHKを流していたら、桑子真帆ちゃん出演の番組が始まり、つい引き込まれる。一ヶ月前に放映された「一本の道 〝天空の城〟古代ローマの道をゆく」というドキュメンタリーの再放送。中部イタリアの古代遺跡や絶景を結ぶ一本道を6日かけ…

つくしの子のお母さんが作ってくれたセリのおひたしを再現したくて、阿佐ヶ谷スターロードの入り口近くの八百屋「やおゆう」へ立ち寄る。あいにくセリはなくて、青みずが四束のこっていたのでそのうち二束と生なめこを買う。飲屋街にある八百屋は、珍しい食…